築90年のお寺の庫裏(くり)でもあるこのM邸を、京都の設計事務所監理のもと、20数年ぶりに大改修。
長い年月に度重なる増改築で各部屋に段差ができ、かなり不便な状況でした。
今回の改修では可能な限りオリジナル(建物の原型・歴史)を残しながら、耐震補強、断熱性UP、バリアフリー化による動線の改善を行いました。
狭かった家族の玄関を広くしながら、土間収納も確保。
遠かったトイレや洗濯場を新たに新設。
かまどのススの付いた小屋組を”現し天井”にして、古民家らしさを演出。
寒さ対策に高断熱材の施工と、床暖房設備をリビング・キッチン周り、洋間へ施工。
造付けキッチンカウンターにコンロ台・洗面台はヒノキ、家電収納棚・食器棚・玄関下駄箱・洋間の吊り戸棚は、木工作家山中俊輔作の杉の家具。
すべての木建(建具)は建具職人のヒノキの建具で、部分的に施主支給のアンティーク硝子をはめ込んでいます。
内装壁仕上げのほとんどは、100%自然素材に由来する左官職人による白洲漆喰塗りで、柔らかさのある仕上りになっています。